ソムチャイ:タイの総選挙が終わり、結果も出ましたけど、政治評論家の五郎さんの感想を。
五郎:あのね、ソムチャイさん、政治評論家は勘弁してよ。
ソムチャイ:冗談です。本当に感想を聞かせてください。
五郎:ソムチャイさんはどう思ってるのよ?
ソムチャイ:アピシット前首相は選挙を伸ばしすぎたと思います。
五郎:それで、負けた・・・と?
ソムチャイ:そう思います。最近一年間の物価高はチョット異常ですからね。
食用油は実際スーパーの店頭から亡くなったことがありましたし、一番つらいのは
お米の値段や燃料代などが値上がりしていることだと思います。
みんなジワジワと生活が苦しくなってきて、締め付けられる気分でしたね。
苦しいのをどこかで吐き出したい気持ちになってました。
五郎:そこへ今回の選挙か!面白い見方だね。それは、意外に当たってるかもしれないな。
タクシン時代のほうが楽だったと。良かったと、思ってしまう。
ソムチャイ:それに、アピシット首相時代には50年ぶりの大洪水とか、
70年ぶりの大干ばつとか自然災害も多かったです。
政治とは関係ないんですけど、運が悪かったと思います。
「タイには洪水は付き物だ」・・・、なんていう大臣が出てきて、農家や庶民の
苦しみが分っていないと言う評判が立っていましたから。
五郎:タイ貢献党が過半数を取るまでは行かないと読んでた向きもあるんじゃないのかな。
ソムチャイ:そうですね、選挙に入る前まではそんな雰囲気ありました。
五郎:タイ貢献党は選挙を自分のペースでできたよな気がするな。
最低賃金を一日300バーツにするとか、お米の買い取り価格をトン当たり
15,000バーツにするとか、農民と貧困層に分りやすく政策を出した。
民主党やほかの政党も政策は似たり寄ったりになった。
ソムチャイ:五郎さん、私が分からないのはこれからのことです。
日本人の友達もどうなるんだ、また一騒動かと聞いてくる人います。
五郎:私は12月5日まではこのまま行くと思うね。
首班指名、組閣、バラマキの一部開始・・・だ。
ソムチャイ:国王誕生日まで・・・、という意味ですか?
五郎:そうだね。タクシン派は今度は慎重だ。ゆっくり来ると思う。一部で言われたような
「地滑り的勝利」でなかったことも却って幸いしている。タクシン本人もあわてて帰国することは
まずないだろう。
ソムチャイ:なぜ国王誕生日までは平穏に進む、と見るのですか?
五郎:ちょっと、口に出すのは憚るね。
ともかくタイ貢献党は選挙の勝利宣言で「国民の融和」を掲げた。「報復をしない」も宣言した。
また、「国王の誕生日を全国民で盛大に祝す」と表明した。
誕生祝賀が終わるまでは王党派もうかつに手が出しにくい。タイ貢献党にも知恵者がいるね