タイランド情報

タイ情勢を知る手だて2014.01.13

新年から、タイのデモ騒動について「どうなってるのか」との問い合わせをいただいています。


Yahooに昨年12月25日付けで発表された「The Page」の河野嘉誠記者 の解説記事を転載させて頂きました。
拓殖大学の甲斐信好教授の説明を引用しながら分かり易い解説記事を発表しています。

どうぞご参照下さい。


【選挙を拒否する反政府デモ】


タクシン政権が退陣した2006年以降、タイの政治は「黄シャツ」と「赤シャツ」の対立として語られることが多い。
「黄シャツ」は、バンコクを中心とした既得権層により構成される。
野党・民主党を支持し、「反タクシン派」とも呼ばれる。
今回の反政府デモを担っているのも「黄シャツ」の人々だ。



  これに対し、東北タイを地盤とし、農民や労働者などから構成され、
タクシン政権時代の諸政策により恩恵を受けたのが、「赤シャツ」といわれる人々だ。
タイの国民の半数以上は農民だ。タクシンは首相在任中、農民や貧困層に対し手厚い保護をした。


「黄シャツ」は、こうしたタクシンの政治手法を「ポピュリズム」と批難する。
タクシンの妹・インラック首相のコメの買い取り政策も、国庫を圧迫する「バラマキ」との批判をうけている。
しかし、「黄シャツ」は、圧倒的多数を占める「赤シャツ」に選挙で勝つことはできない。


それゆえ、タクシン政権を崩壊させた2006年も、軍のクーデタという形をとらざるをえなかった。
一般に、反政府デモとは「民主主義」を希求し「自由で公平な選挙」の実施を求める運動だ。
しかし、タイの「反政府デモ」は選挙を拒否している。


今回のデモで反政府側指導者を務めるステープ氏も、
インラック首相の即刻辞任と「総選挙を経ない政権委譲」を要求している。


このある意味、異様な「反政府デモ」の背景について、
「タイの構造的な社会階層対立」があると分析するのは、
比較政治学が専門で東アジアの民主化に詳しい甲斐信好拓殖大学教授だ。
「タイの政治を伝統的に動かしてきたのは官僚や貴族といった上流層の人々だ。
彼らは、1932年の立憲革命に象徴されるように、絶対王政を廃し、民主化を進めた。
しかし、彼らはタイ国民の半数以上を占める農民層まで巻き込んだ『民主化』は求めなかった。
タイの政治を伝統的に担ってきた上流層が、『黄シャツ』として現在まで存続している」。



インラック首相は今回の一連のデモを受け、下院の解散と来年2月の総選挙を確約した。
だが、反政府側は今月21日に総選挙のボイコットを表明するなど、
インラック首相の申し入れを受け入れる様子は見られない。



【千日手のタイ政治】


甲斐教授は、インラック首相に手詰まり感があると指摘する。
「問題は二月の選挙が実施できるかということだ。
タクシン派が勝利した2006年の総選挙で、野党側は欠席戦術に出た。
あろうことか憲法裁判所はそれに対し、『野党が参加しない選挙は無効』という判決を出した。
今回も野党側は選挙のボイコットを表明している。
2006年のような事態になる可能性がないとはいえない」。

タイの司法は必ずしも中立ではない。
選挙に際し、2006年のように黄シャツ側におもねる判決を出す可能性もある。
しかし、黄シャツ側にしてみても、手詰まり感は変わらない。
選挙が実施された場合、負けは確実だからだ。

「タクシン派」が政権をとれば、「黄シャツ」がデモをおこす。
「反タクシン派」が政権をとれば、「赤シャツ」が座り込みを始める。
タイで2006年以降繰り返されてきたこの状況を、甲斐教授は「千日手のタイ政治」と形容する。
「千日手」とは将棋の用語で、お互いが同じ手を繰りかえし、局面が進展しないことをさす。

【国王の演説でも収束せず】

タイはクーデタの多い国だ。1932年の立憲革命から1992年の民主化に至るまで、
約3年に一度のペースで繰り返されてきた。しかし、それでも「無政府状態」にならなかったのは、
国王の存在があったからだというのが甲斐教授の見方だ。

「タイは立憲君主国なので国王は政治的に中立だ。
しかし、クーデタなどで三権が機能しなくなった場合、
国王が政治に関与することが憲法的にも認められると考えられている。
これまでのクーデタでは最終的に国王が認めた方が勝ちになり、
負けた方は無事に国を出て行くという原則があった。
タイの政治にとって、国王は最後の安全弁だった」。

 プミポン国王は今回のデモに際しても、誕生日である12月5日の演説で国民に「団結」を呼びかけた。
しかし、反政府側は6日からデモを再開した。
慈善活動にも意欲的に取り組み、国民から愛されるプミポン国王。
その現国王をもってしても、92年のようにデモを収束させることはできなかった。

「『都市と地方』、『富裕層と貧困層』という開発途上国の典型的な対立が、
タイでは『王室』という共通項でバランスが保たれていた。そのバランスが崩れる危険性がある。
現国王の強力な政治権力は、政治的な要請として制度的に作られた部分と、
現国王の個人的魅力により形成された部分の両面がある。
王室が最終的な安全弁になるという政治システムをどう移行するかが問題だ」(前出・甲斐教授)。

プミポン国王も86歳を迎え、最近では入退院を繰り返している。
「最終的な安全弁」が効かなくなったときに、民主主義の原則が守られるような社会が形成されていなければ、タイの政治は混沌におちいる。

「千日手」を止めるために残された時間は、長くはない。

(写真はタイの英字新聞BangkokPost紙から転載しました)


 

つづきを読む>>  

バンコク シャットダウン・日本大使館警告発表2014.01.09

昨年の11月から続いている反政府デモの指導者ステープ氏は
1月13日、バンコク市内の主要な交差点など20ヶ所を
通行できないように閉鎖し、バンコクをシャットダウンすると表明している。

候補地域は以下の通り。

Mr Suthep named the 20 intersections:
1) Uruphong 2) Charoenpol 3) Hua Lamphong 4) Bang Rak
5) Silom 6) Sam Yan 7) Phaya Thai 8) Ratchathewi 9) The Victory Monument 10) Siam Square など他10カ所



ステープ氏は軍の幹部数人と接触していることが報じられている。


在タイ日本大使館は以下の「注意勧告」を出しています。


〜大使館からのお知らせ〜
* ขอความกรุณาส่งมอบประกาศจากสถานเอกอัครราชทูตญี่ปุ่นประจำประเทศไทยฉบับนี้ให้แก่ชาวญี่ปุ่นด้วย

2014年1月7日現在


1月8日のデモの呼び掛け及び13日以降の反政府勢力によるバンコク都内の閉鎖(Shutdown)

1. 6日(月)、反政府勢力は、1月13日(月)以降バンコク都を閉鎖(Shutdown)するとして、同日午前9時から、アソーク交差点、ラチャプラソン交差点、戦勝記念塔等バンコク都内合計7ヶ所にステージを設けて、活動拠点(別添)とする旨の声明を発表しています。


2. また、同勢力は、8日(水)午前11時30分から午後1時30分までの間(予定)、BTSアソーク駅前で13日のデモへの参加を呼び掛けるための集会を行う予定です。


3. 活動拠点付近では、激しい交通渋滞が予想されますので、お出掛けの方は十分ご注意下さい。また、不測の事態の可能性も全く無い訳ではないので、今後とも報道等を通じて、最新情報の入手に努めるとともに、お出掛けの際には、活動拠点、抗議行動、デモ集会等の予定されている地域の周辺には、出来るだけ近づかない等、自らの安全確保に十分注意して下さい。


写真と英文記事はBangkok Post紙(タイ国内の英字新聞)から転載。

つづきを読む>>  

Nokのチェンマイ通信『謹賀新年』2014.01.04




明けまして、おめでとうございます。

年末のカウントダウンは『あんぐりNok』に変身し、
元旦は、お節もどきとお雑煮で新年を迎えました。

やはり、日本人はお雑煮、なんていったってお雑煮!

今年も、どうぞよろしくお願い致します。

つづきを読む>>  

いつまで続くタイのデモ2013.12.19

バンコクでは最近、日中の温度が20度以下の冷え込み(‼︎)






p。








つづきを読む>>  

Nokのチェンマイ通信『鍋の美味しい季節』2013.12.19



タイは熱帯と思われがちですが、盆地のチェンマイ極寒です。
トレーナーにフリースと重ね着しても、底冷え。
何せ、隙間風だらけの家には、暖房器具が皆無。


タイには暖房という概念が無いのか、唯一焚火を思い浮かべるのみ。
炬燵が恋しい!


暖をとるために、このところ毎日鍋パーティーが続いています。

つづきを読む>>  

バンコク騒動2013.12.02

以下の記事はNewsClipから転載
上の2枚の写真はNewsClip提供、3枚目はTheNation提供

【タイ】11月30日夜から12月1日にかけ、バンコクで反タクシン元首相派のデモ隊と警官隊、タクシン派市民との衝突があり、少なくとも4人が死亡、50人以上がけがをした。


 タクシン派が集会を行っていたラチャマンカラ国立競技場周辺で、反タクシン派の学生、職業訓練校生とタクシン派市民が銃を撃ち合うなどし、4人が死亡した。周辺地区はタクシン派市民が乗ったバス、タクシーを反タクシン派市民が襲撃するなど混乱状態になり、バスが放火され、炎上するなどした。タクシン派は1日朝、集会を中止し、撤収した。


 一方、反タクシン派のデモ隊はバンコク都内のタイ首相府、タイ警察本部、バンコク首都警察本部、地上波テレビ局などへの突入を図った。首相府、警察への侵入は催涙ガス弾などで阻止されたが、テレビ局への侵入は成功し、国営テレビ局の放送が一時中断するなどした。タイのジャーナリスト団体は反タクシン派の行動を非難する声明を出した。


 反タクシン派のデモ隊を率いる野党民主党のステープ元副首相(元民主党幹事長)は1日夜、演説を行い、軍司令官の立ち会いのもと、インラク首相と会談し、「人民議会」に権力を委譲するよう伝えたと述べた。また、公務員、国営企業社員などに対し、2日からゼネストに入るよう呼びかけた。


 反タクシン派のデモ隊は国旗を振り、ホイッスルを吹き鳴らし、デモ会場周辺は騒音に包まれた。ただ、バンコクの大部分は平穏で、通常通り、食事や買い物を楽しむ姿が見られた。



【タイ】反タクシン元首相派による反政府デモは、指導者のステープ元副首相が様々な職種の代表からなる「人民議会」に国権を委ねるという構想を打ち出して、政府との対話を拒否し、こう着状態が続いている。


 インラク首相は28日、テレビ演説を行い、プミポン国王の誕生日(12月5日)が迫っていると指摘し、反タクシン派に対し、デモを中止し、対話に応じるよう呼びかけた。「人民議会」構想については、憲法上認められないと一蹴した。


 ステープ元副首相はこれに対し、対話を拒否するとともに、インラク首相の辞任や下院解散では問題が解決しないと主張。デモで政府機能を麻ひさせた後、「人民議会」を設立し、タクシン元首相の影響力の完全排除を図るという戦略を改めて示した。


 野党民主党は同日、緊急会議を開き、反政府デモへの対応を協議した。前政権で自分が首相、党首、ステープ元副首相が治安担当の副首相、党幹事長という立場であったアピシット党首はステープ元副首相に同調して、党の下院議員を反政府集会に参加させる方針を決めた。民主党はステープ元副首相が繰り広げる「非民主的」で「非合法」の恐れがある活動に片足を突っ込んだ形だ。一方、アピシット政権で財務相を務めたコーン前民主党副党首はデモ隊による省庁占拠やステープ元副首相の構想を批判し、ステープ元副首相らとたもとを分かった。


 反政府デモ隊は28日、バンコク都内の民主記念塔での反政府集会と、財務省・予算庁の占拠、バンコク郊外の政府総合庁舎の一部占拠を継続するとともに、都内ラマ1世通りの警察本部、サナームチャイ通りの国防省などにデモ行進した。警察本部前には約3000人が詰めかけ、建物への電力供給を遮断するなどした。


 反タクシン派、タクシン派の抗争は、経済格差、地域格差、教育問題、さらにはタクシン派の支持基盤である東北人への民族差別的な要素も含み、感情的なレベルの対立が深まっている。問題を整理分析して対応する理性的なアプローチはほとんど見られず、解決を難しくしている。
 

 特権階級とバンコクの中間層、南部が中心の反タクシン派にとって、インラク政権は反王室の汚職政治家であるタクシン元首相が「教育水準の低い東北人」を選挙で買収して発足した政権で、国を正しい方向に向かわせるためには、タクシン元首相と妹のインラク首相らの追放が必要となる。だが、選挙でタクシン派に勝てないため、軍事クーデターや憲法裁判所の判決といった非常手段に頼る傾向が強く、タクシン派に比べ「教養」があると自負する反タクシン派が民主主義の原則を否定し、前時代的な主張を繰り返すという矛盾に陥っている。


 一方、タイ東北部、北部の中低所得者が中心のタクシン派にとって、タクシン元首相は、これまで顧みられなかった地方、低所得者層に低額医療を行き渡らせ、農村・地方開発を進めた「民主主義のリーダー」。インラク政権は選挙で選ばれた正統な政権で、反タクシン派は軍事クーデターや裁判でタクシン派政権の転覆を繰り返す非民主的な勢力ということになる。ただ、タクシン元首相の存在、特にその反王室のイメージが、反タクシン派の生理的反発を招き、国の成長を阻害しているという面は否定しがたい。


 今回のデモは、選挙で選ばれた政権の転覆を図るだけでなく、国の制度そのものを変えようとする意図がみられる。通常であれば、デモ隊が財務省などの占拠に踏み切った時点で、警察が強制排除すべきであったろうが、タイでは軍・警察による暴徒のコントロールがうまくいった例がほとんどない。アピシット政権時の2010年には、バンコク都心を長期占拠したタクシン派デモ隊と治安部隊が衝突し、91人が死亡、約2000人が負傷するという惨事が起きた。また、軍の忠誠心がどちらに向いているかわからない現在の状況では、警察とデモ隊の衝突で多数の死傷者が出た場合、軍が治安維持を理由にクーデターに踏み切る可能性も排除できない。こうした経緯から、政府は強制排除に及び腰で、それを見越したデモ隊が省庁占拠を拡大し、政府機能が徐々に奪われていくという、傍から見れば不思議な事態が起きている。

つづきを読む>>  

Nokのチェンマイ通信『納涼スケート』2013.12.02


>
> 先月オープンしたばかりのショッピングモール
> 『セントラル フェスティバル』に行ってきました。
>
> 目玉は、アイススケート場。
> 今は少し涼しくなったとはいえ、暑いチェンマイ。
> 半袖、手袋なしで滑っているのを見ると、ローラースケートと間違えそうです。

つづきを読む>>  

Nokのチェンマイ通信『ロイクラトン』20132013.11.26


> チェンマイ三大祭りの一つ、
> 11月の満月の夜に行われる、灯篭流し『ロイクラトン』
>
> 夜空には、コムローイと呼ばれる熱気球行燈が舞い上がり、
> 川にはクラトン(バナナの幹を土台に、花で飾られた灯篭)が流れ、
> それはそれは、幻想的な雰囲気に包まれる。
>
> 最終日の、パレード、これがお祭りのシメになるのだが、
> 今年は、途中から、まさかの土砂降りになってしまった。
>
> それでも、花火の爆音が、深夜の3時まで続いておりました。
>
>

つづきを読む>>  

80万個以上の「灯篭」片付ける2013.11.19

先週日曜日(11月17日)はタイ・ロイカトウーン(ลอยกระทง)で
チャオプラヤ川などに「灯篭」が大量に流されたが、
バンコク府が約80万個片付けたと発表した。


流される「灯篭」はバナナの葉やバナナの太い幹を使って
作られるもので、陰暦12月の満月の日を中心に全国で行われる伝統行事。
犯した罪を謝罪し、自らを清める祭りである。



タイ北部のチェンマイでは「灯篭」を流すだけでなく、
「コムローイ」と呼ばれる熱気球を夜空に放つ。


バンコク府がチャオプラヤ川などから今年回収した「灯篭」は昨年より5.6%少ないそうだが、
川に流れた「灯篭」はおびただしい。

男女がお互いの髪の毛を抜いて「灯篭」に乗せ、未来を誓い合うこともある。
「灯篭」に5バーツ、10バーツコインを乗せる人もいる。
灯篭が川にすぐ沈まず、長く流れれば願いが叶うと信じている人もいる。


チェンマイでは河川の汚染が心配されている。



(写真はTheNation提供、英文記事はTheNationから転載)


In Chiang Mai, local irrigation officials volunteered to collect krathongs floated in waterways above the Ping River watergate, which is under joint jurisdiction of two local administrative bodies, to cut short through administrative red tape and ensure this is done promptly. The office said delays in collecting the krathongs would hit routine water management and harm the environment.

つづきを読む>>  

インラク首相 日本訪問 (12月)2013.11.19

タイのインラク首相は12月12―15日、日本を訪問する。


 日本では日本・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別首脳会議に出席する。


 インラク首相は2011年8月の就任以来、50回近い外遊をこなしている。


《記事はnewsclipから》

つづきを読む>>