五郎:私が知ってるタイの女性だけど、プロパンガスの会社を経営していたオ
ヤジに口説き落とされて同棲始めた。「女房とはとっくに別れた」と言う話
を真に受けてね。働いて貯めていたお金を貸しちゃった。「会社の株主に
なってくれ」なんて言われてね。
ソムチャイ:大金ですか?
五郎:大きいね。株主として投資した分が50万バーツ、貸し付けた分が50万
バーツ。都合100万バーツだ。
ソムチャイ:大変なお金ですね。
五郎:ところがこの会社はもう成り立たなくなってたんだな。資金に困ってい
た。彼女、会社の経理までさせられて、時々不足する現金を立て替えたり
していた。
ソムチャイ:そんな大金を良く持ってましたね。
五郎:ああ、水商売で稼いだお金だ。体張って稼いだものだ。
スワンニー:それで、どうなったんですか?
五郎:にっちもさっちも行かなくなって、彼女とうとう男も会社も投げ出した。
彼女は一度離婚していて、子供も一人いた。
スワンニー:そうですか・・・。何か、気のどく。
五郎:彼女、しばらく泣いてたけど、半年もしないうちに新しい男見つけて、今
ではその彼のレストランを切り盛りしている。
スワンニー:タイの女性は結婚して、別れて、男に懲りて、それからは独身で
通す、て言う人多いです。
ソムチャイ:彼女は納まるところに収まったと言うことでしょうか?
五郎:ところが、ガスやの男は男で、別れてから何度も電話かけて来るそう
だ。ヨリを戻そうって。彼女はしつこくて困る、って言ってたけど電話口でそ
のオヤジ泣くんだそうだ。かわいそうだから、たまに会いに行ってやるんだっ
て・・・。新しい旦那がいるのにだよ。そんなのありかな?
スワンニー:それって変です。
ソムチャイ:五郎さん、何でそんなに詳しく知ってるんですか?
五郎:私の「友達の友達」なんだね。二人がタイ語でヤリトリしているのを盗み
聞き!水商売で稼いで、それを全部ガスやのオヤジに騙し取られ、今度は
レストランの経営者を捕まえて、オーナーになってまた貯めこんでる。見上
げた根性というか、シタタカというか・・・。脱帽だね。
ソムチャイ:ガスやのオヤジはどうなったんですか?
五郎:これがまた、おかしいと言うか、何と言うか・・・。離婚したと言うのはオオ
ウソで、今でも女房・子供と暮らしている。時々彼女に涙声で電話したりしな
がらね。
スワンニー:それって、何かとても変です、五郎さん。
五郎:そうだよな、そう考えるのが普通だよな。だけどね、最近何が何だか分
からないことが多い。男女の関係はどこでも「まだら模様」だ。日本だって
社内の不倫、奥様方の浮気・婚外交渉、愛人バンク、援助交際、出会い
系サイト・・・。ヤレヤレだよ。人間の理性が失われていくんだな、だんだん。
これって、進歩なのかね、退歩なのかね・・・。