ソムチャイ:五郎さんは一般のタイ人が行く病院に行ったことありますか?
五郎:私はね、自慢じゃないけど病気のデパートみたいなもんでね、持病をいっぱい持ってるんだ。
ソムチャイ:え〜ッ!?健康そのものみたいに見えますけど・・・。
五郎:高血圧、難聴、イボ痔・キレ痔から始まって、胆のうポリープ、直腸ポリープ、肝炎、
関節炎、糖尿、中性脂肪にメタボ・・・まだあるけど、聞きたい?
ソムチャイ:はい、分かりました。もう充分です。
五郎:そんな訳でね、タイにいたころは病院へは行ったほうだね。
ソムチャイ:どんな感じでした?
五郎:どんな感じって・・・、悪くなかったよ、そこは。
アパートの近所だったけど。
ISO9001の2000を取っていて、何事も手際よくやってくれた。
風邪をこじらせたり、下痢が何日も続いたりした時に行くわけだから大したことはないけどね。
保険がなかったから診察料・薬代がメチャ高かったな。
ソムチャイ:私は日本に留学してた頃、日本の病院に行ったことがありますから、タイの病院は
問題だらけだなと思います。
五郎:例えば?
ソムチャイ:アユタヤ県の病院に友人のお父さんが入院したんです。
「もう手遅れだ」って言われたそうで、大部屋に入っていて何も治療してませんでした。
「治療しても無駄だから・・・」だそうです。一部屋に30人以上も入ってるんですよ。
キチンと治療を受けていない人がかなりいました。
五郎:治療しない人が何で病院にいるの?
ソムチャイ:分かりません。
冷房はついていないし、大型の扇風機が゛天井でグルグル回っているだけ。
あまりに暑いので建物の外に出てみたら、配膳係りの若い女性が
廊下で男性と立ち話しているんです。二人はいつまでたってもオシャベリを続けていて動こうとしない。
配膳用のゴンドラには患者さんに配る「食事」が乗ったままでした。
ハエが周りを取り囲んでブンブン飛んでましたです。
五郎:誰も注意する人いないの?
ソムチャイ:誰もいません。何か悲しくなりました。
五郎:入院した友達のお父さんはどうなったの?
ソムチャイ:その夜、亡くなりました。
「はい、ごくろうさん。次!」って感じ。
そこは公立病院なんです。五郎さんが行ったことのある病院は民間病院ですね。
ISOを取得しているところは病院同士の高い治療を競っているところです。
なぜかタイは病院の数が多いんです。治療の内容はピンキリです。
五郎:日本だってそんなもんだよ・・・。