ソムチャイ:日本ではタクシーの乗車拒否ってないんですか?
五郎:私の知る限りでは、ないね。
ソムチャイ:東京には個人タクシーもありますよね。
五郎:あるけど、個人タクシーは『免許条件』がうるさい。経験年数とか、事故
の経歴とか。
ソムチャイ:じゃあ、会社のタクシーは?
五郎:日本の場合は何かと決まりがある。まず、タクシーの運転手になるには
運転免許が『2種免許』でなきゃあダメだ。それに東京の場合、「地理テス
ト」に合格しないとタクシードライバーにはなれない。ロンドンのタクシーほ
どじゃないけどね。だから、地方出身の人は大変だね。最後に安全運転評
価に合格する必要がある。運転免許があればその日からタクシードライバ
ーになれるバンコクとはかなり事情が違う。
ソムチャイ:なかなか大変そうですね。安全運転評価って、国とか行政がする
んですか?
五郎:タクシー会社が実施している。自主判断・自主基準かな。
ソムチャイ:勝手には判断して良いんですか?
五郎:まあね。だけど、交通事故や違反が多いと陸運局から調査が入るし、
会社は事故や違反の保証で損害が出てしまう。
ソムチャイ:タイでは安全運転はお構いなしです。
五郎:だけど、最近東京ではタクシードライバーのなり手が少ない。車の数に
ドライバーの数が追いつかないんだ。大きなタクシー会社の寡占化も進ん
でる。料金の値上げも始まってるね。
ソムチャイ:東京では魅力ある仕事ですか?
五郎:それはどうかな・・・。地方出身のドライバーさんを寮に入れてキープし
ている会社もあるくらいだ。応募者や希望者が少ないんだね。
ソムチャイ:バンコクの場合は田舎から出てきた若者や田舎で仕事のない男
たちが出稼ぎ方々バンコクに来るんです。来てみたってすぐに仕事がある
わけじゃないから、手っ取り早くタクシードライバーとかバイクの運転手。
五郎:車やバイクはどうするの?
ソムチャイ:オーナーから借ります。この借り賃の支払いが大変です。水揚げ
があってもなくても払わなければなりません。タクシー車を一日借りて700
〜800バーツは払います。借り賃と燃料代払ったら、手元には何もなしっ
てこともあるそうです。
五郎:それも大変だな。バイクの運転手って言うのはバイクタクシーのこと?
ソムチャイ:それもありますけど、メッセンジャーも多いですね。
五郎:メッセンジャーってどんな仕事するんだっけ?
ソムチャイ:頼まれた書類を会社に届けたり、会社の領収書をお客さんに届け
たり、細かい荷物を運んだり・・・車だと渋滞で時間がかかりますから、バイ
クが使われています。会社からの仕事もありますし、個人に頼まれる仕事
もあります。数をこなそうとするから、バイクメッセンジャーは運転が乱暴な
ことが多いですね。
五郎:日本にもバイク便ってのがある。