8月5日の「タイ・パルシステム産直協議会」総会を終え、パルシステム訪タイ団一行5名は南部の産地へと移動を開始しました。バンラート農協を夕方5時に出発、チュンポン市のホテルに着いたのは夜中の12時でした。途中道路工事の渋滞があったとはいえ、タイの国土は広い、という実感です。
翌6日早朝、一行はチュンポン県のターセ農協を訪問、圃場の視察・生産者との交流・パッキング場の品質管理視察などをこなし、タムシン農民会訪問へ。ここでも生産者とタップリ交流しました。車でさらに南下、ランスワン郡のホテルにチェックインしました。ここはppfcのいわば常宿で、翌朝は近くの「おかゆ屋」さんで朝食というのが定番です。
7日はトンカーワット農民会での交流や視察の後、スラタニ県のナーサン農協を訪問、新築・移転なったバナナパッキング場を視察し、農場の視察、生産者との交流です。ここまでの移動距離は直線で750Kmです。視察と交流を終了してスラタニ空港経由バンコク・ドムアン空港へ。ドムアン空港から車でホテルに到着したのは9時でした。夕食は遅い時間となりました。
8日、予定になかったクロントイスラム(住民は約10万人と言われ、バンコク最大のスラム街)訪問をすることとなり、スラムで長くボランティア活動しているシーカー財団を訪問させてもらいました。急な訪問で土曜日でもあったのですが財団の八木沢理事、吉田事務局長には気持ち良く対応して頂きました。
八木沢さんからはビルの林立で華やかに見えるバンコクとは裏腹に、タイではこの10年間に貧富の格差が拡大していてその日暮らしの最貧困層は人口の1割を超えたそうです。特権階級的な富裕層と貧困層との格差は広がるばかりで、スラムの住人や出身者は生きることで精一杯であると同時に根深い差別や社会的な偏見を克服する手段がなく、二重・三重に苦しい環境に追い込まれているとの話を伺いました。お話の後、スラムの内を案内いただきました。
バンコクの、まさに「光と影」のお話を聞き、一行は少々胸が重くなりましたが休む間も無くサラブリ県の新産地へと向かいました。到着して、少し遅い昼食はノンケー町の文字通り「ローカルレストラン」です。タイ料理中のタイ料理、カオマンガイ、カオカームーなどいただきました。
サラブリではPTJ初の直営パッキング場(運営は現地会社のジェイ・フレシュ・セイカ)を視察し2月稼働以来の話をマネージャーのオンから聞き、担当のペイソウ(PTJ専務、ジェイフレシュ取締役)からは地域の生産キャパや将来的な可能性、既存産地との作型の違い・取引条件の違いなどを聞きました。
生産者のリットさんはパッキング場の隣が住まいで、一行はご主人のヌグンさんも混じえて交流をしました。ヌグンさんは昨年12月に芯喰い虫の大被害を受けた経験がありますが、無農薬栽培に意義を感じチャレンジを続けています。リットさんはこの地域ではホムトンバナナ無農薬栽培の草分け的な存在です。
慌ただしい交流の時間ではありましたが、ヌグンさん・リットさんも一緒にPTJの直営「自社農園」(4月から2番苗の育成開始、3200本)を視察。管理責任者のエッスさん、ポンさんが丁度作業中で、自社農園栽培の話を聞くことができました。出荷は順調なら来年1月からです。
視察後、バンコクにとって返しカバン・荷造りして大急ぎの夕食を済ませてスワナプミ空港へ。日本帰国となりました。
パルシステムから白川副会長ほか栗田さんと鈴木さん。3名とも女性です。GPSから工藤さんと佐藤さん。
これほどハードなスケジュールも珍しいですが、最後の最後まで誰からも、一言も「疲れた」を聞きませんでした。
【写真】上から1枚目、2枚目はGPS工藤さんの提供です。
3枚目クロントイスラムの外れにある
鉄道路線内の住居(鉄道は1日4回稼働中)
4枚目サラブリ地区のリットさん宅前で
5枚目PTJ自社農園にて