五郎:タイの公務員は私の駐在していたときの印象では、
偉そうにしている人が多かったような気もするけど・・・。
ソムチャイ:公務員はタイ人の憧れの職業ですからね。一番安定しているし、権力の側にいますから、
五郎さんのよく言う「親方日の丸」です。
五郎:ハハハッ。ソムチャイさんに言われちゃあしょうがないけど。
警察官はどう?
ソムチャイ:タイの警察官は募集があるとものすごい応募者です。学歴は高くなくて良いんですが、
大学卒業の人も応募しますね。給料は公務員の中でも低いほうですけどね。
何と言っても副収入が・・・。
五郎:警察官の副収入か・・・。
アジアでは常識かもしれないけどな。アレがあるうちは先進国とは言えないと思うね。
まあ、日本でも汚職はあるけど、警察官が公然とお金を要求するというのはまずないね。
ソムチャイ:タイでも公には無いことになってます。
五郎:そうだろうね。
私の昔の経験談を一つしようか。
私が日本のお客さんを乗せてホテルから空港に送って行くときのことだけどね。
駐在して1年目くらいだったかな。だから、もう大分前の話だよ。
たまたまその日はドライバーが田舎に帰っていていなくてね、私が運転していたんだ。
ラマ四世通りとサアトン通りの交差点だったかな。赤信号で止まってたら、警官に呼ばれたんだね。
「こっちへ来い」と言う感じで。赤信号がナカナカ変わらないからおかしいなとは思ってたんだ。
「免許証を見せろ」ときた。見せたよ、国際免許証持ってたからね。
『この交差点は左折だけだ、直進できない』と言うんだね。自分は未だ交差点には入ってなかった、
と言ったんだけど、交差点の真ん中の「警官のたまり場」みたいなところまで車を誘導されてしまったから、
どこで停止していたかなんて、もう問題じゃないんだね。
『ずっと手前に左折だけって表示があったろう』と言うから、「タイ語は読めない」といったら、
英語でも表示されている、英語は読めるだろう、と迫ってきた。
朝ですよ。お客さんを3人乗せてこれから空港に行く途中ですからね。困った顔をしていたらいきなり、
『1000バーツでどうだ』ときましたね。そういうことは聞いてたからね、来たか!と思ったね。
「高い、300でどうだ」と切り返えしたら、『じゃあ、700だ』と言う。「500で手を打とう」と言うと「いや、
700以上はまからない」というじゃないか。手を打つしかないよ。こっちは日本人だ。足元見られてる。
ところが700バーツなんて半端持ってないよ、1000バーツを恐る恐る出すと、300バーツおつりをくれた。
日本人のお客さん3人が乗っている目の前だよ。皆さん感動してたね。
ソムチャイ:そんなことあったんですか。
五郎:今ではそんなことはなくなったのかな?
ソムチャイ:え〜っと。そうですね・・・。まあ・・・、ないでしょう。
五郎:タイでは小学生くらいの子供がバイクの運転してるだろう?それも二人乗り・3人乗りかなんかで・・・。
警官の前だって運転してるよね。あるときね、何で注意しないの?てタイ人の知り合いに聞いたんだ。
そしたら、「子供はお金持ってない」って。ウッと来たね。次の言葉が出なかった。
ソムチャイ:五郎さん、まあ、抑えて、抑えて。
日本の警察官は一時停止の停止線からチョットはみ出てても、うるさく言う人いましたよ。
それにね、一時停止のある交差点のコーナーで、陰に隠れて見張ってるんですね。
そして『一時停止しなかった』って・・・高い罰金払わされて、私が学生の時の経験ですけど。
五郎:う〜ん。