五郎:事故は増えてますか?
ソムチャイ:増えてますね。大きな事故が多くなってます。去年の大晦日から新年にかけて
4日間で470人が交通事故で亡くなったんですよ。正月気分の酔っ払い運転や、
バイクの無謀な運転が指摘されてます。
五郎:私の場合は、会社が車を用意してくれてしかもドライバー付きだったから、夜、お客
さんとカラオケに一杯飲みに行っても帰りの心配はなかったけど。タイ人でお酒を飲ん
で運転している人は見かけたね。
ソムチャイ:私も見てます。
五郎:取引先の社員が日曜日に遊びに出て、お酒を飲んで運転して人を跳ね飛ばしたっていう
ことがあったな。跳ねられた人は即死。話を聞いたときはビックリしたけど、もっとビ
ックリしたのは逮捕もされないで、示談で済ませちゃったこと。示談金が5万バーツだ
ったとか。まったく信じられなかったね。
ソムチャイ:私の会社の人で、弟を交通事故で亡くした人がいます。つい最近のことですが、
バイクの二人乗りで、ヘルメットも被らずバイクに乗ってました。彼は友達に乗
せてもらってたんだそうですが、私の事故と同じUターンのときです。Uターン
の曲がりハナを乗用車にはねられ、バイクを運転していた人は軽傷だったけど、
後ろに乗っていた彼は5メートルも飛ばされてそのままだったそうです。乗用車
の運転手は全く怪我なし。
五郎:それで、賠償金が5万バーツだったとか・・・?
ソムチャイ:地元の警察へ行ったけど、乗用車を運転していた相手は公務員で、警察は乗用車
の運転手の主張を取り上げただけ。こっちの言うことは聞いてもらえずじまいだ
ったそうです。相手は全く悪くない、と言うことで賠償金はゼロだったと言って
ました。
五郎:ゼロはないだろうにな〜。
ソムチャイ:車の運転者がかけていた保険で、見舞金が入ったって。
それで、お墓を建てて納骨したという話だったです。
五郎:裁判はしないのかな。
ソムチャイ:あんまりしないですね。訴えてもコネがないと棚上げされて、いつ裁判が始まる
かも分からないなんて話も聞きます。実際、タイは裁判官の数が少ないですからね。